映画「赤い靴 」をご覧になったことはありますか?
1948年制作の大変古い映画ですが、最近、デジタルリマスター版が制作され、
まもなく発売になるそうです。
タイトルのとおり「赤」の色が印象的に配された色彩が素晴らしい映画で、
その美しさを再見するのが楽しみです。
この映画で印象に残っているのは、
物語序盤に、主役のバレリーナと興行主との間で交わされる会話。
「君はなぜ踊る?」
という興行主の問いに、
「なぜ生きると?」
と問い返すバレリーナ。
「どうにもならない執着だ」
「それが私の答えです」
なぜ生きるかについてのこの定義は、
今となっては古臭くも感じますが、
普遍的でもあり、
私がこの映画を初めて観たのは10代の頃でしたが、
生きることの不恰好さ
執着の浅ましさ
その醜き美しさ
複雑に織り成される光陰を見たような気がして、
以後、時折思い出しては反芻するシーンになっています。
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